心臓血管放射線研究会では研究会での発表実績のある45歳未満の医師を対象に学術研究助成金を設け、今回はASCI 2008での発表者4名に助成をいたしました。

2008年7月
国際委員会委員長 望月 輝一


2nd Scientific Meeting of Asian Society of Cardiovascular Imaging 参加報告記
宇都宮 大輔 済生会熊本病院・画像診断センター
中島 崇智 東京女子医科大学病院心臓病センター・循環器内科
平井 伸彦 株式会社 エムネス
町田 治彦 東京女子医科大学東医療センター・放射線科






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報告記 01
宇都宮 大輔  済生会熊本病院・画像診断センター
2008年4月19〜20日 シンガポールで開催された2nd Congress of Asian Society of Cardiovascular Imaging(ASCI)に参加してきました。
心臓放射線研究会学術研究助成に選考いただいたことに深謝いたします。4月18日には心臓CT教育コースがあり、320列MDCTのライブデモも行われました。
私の演題は“Role of Cardiac CT in Patients with Coronary Artery Disease: Interaction with Nuclear Cardiology”で、冠動脈CTAと心筋血流SPECTの関係についてのポスター発表を行いました。日本、韓国、シンガポール、マレーシアやタイなど22カ国から602名の参加者があり、盛大な会合でした。シンガポールは日本や韓国からは遠いですが、その他の地域からは比較的参加しやすい場所だったようです。
北米には1972年からNorth American Society of Cardiovascular Imaging(NASCI)があり、心臓血管領域の画像診断において既に中心的な役割を担っています。ASCIは今後アジアにおける心臓血管画像診断の中心となっていくであろうと思われました。日本、韓国以外の国においても心臓血管画像診断が高いレベルで行われていることを知り、自らの無知を反省した次第です。
その一方で、この学会の中心的役割を果たすのは日本と韓国であることも間違いなさそうです。日本には心臓血管放射線研究会があり、その歴史と質の高さからもASCIに大きな影響を与えるものと思われます。その意味でも3rd Congress of ASCIが栗林教授を代表として日本で行われることは意義が大きいと思いました。
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報告記 02
中島 崇智  東京女子医科大学病院心臓病センター・循環器内科
今回で2回目となるASCIは、4月19日〜20日の2日間の日程で、北緯1度とほぼ赤道直下に位置するシンガポールで開催されました。
約7時間のフライトでまだまだジャケットが手放せない日本から熱帯特有の蒸し暑いシンガポールに到着できますが、時差は1時間であることから時差ぼけの心配はありませんでした。
英国領であった歴史や国策もあってか、非常に綺麗な街並みが広がっており、古い植民地時代の建物と中華+アジアが融合したような斬新な高層ビル群が印象的でした。学会会場にはアジアの多くの国からの参加者が集まってきており、会場となったホテルの大きな宴会場には、新しい画像診断機器の技術を取り入れて学ぼうとする熱意が満ち溢れていました。これからはアジアの時代といわれる所以の一端を実感することができ、逆に私自身が元気を分けてもらったように感じられました。
ASCI自体は、テーマに沿った講演を中心としたいわば教育セッションと、口演およびポスターを中心とした一般演題に分けられており、MDCTとMRIの演題でほぼ占められていました。個人的には心臓核医学関連の発表が少なかったことが残念でしたが、その中で印象に残ったのは韓国のSl Choi先生が発表された『ブタの急性心筋梗塞再潅流モデルにおけるMRIのT2強調画像とLEの所見の病理学的検討』で、出血性梗塞の範囲はT2のコントラスト比(梗塞領域と正常心筋の信号強度比)と強い逆相関を、またMOと正の相関を示しており、T2強調画像は出血性梗塞やMOの検出に有用との報告でした。
2009年のASCIは東京にて開催されることが決まっており、今回と同様アジア各国からの参加者で熱気溢れる学会となることを祈念致します。最後にこのような機会を与えていただいた心臓血管放射線画像研究会の諸先生方に深く感謝申し上げます。有難うございました。
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報告記 03
平井 伸彦  株式会社 エムネス
このたび、心臓血管放射線研究会にご援助いただき、2008年4月19〜20日にシンガポールのFurama Riverfront Hotelにて開催されました2nd Congress of Asian society of Cardiovascular Imaging(ASCI)に参加させて頂きました。
ASCIは今回で2度目の開催であり、私自身は初参加でしたが、RSNAやECRなど欧米主体の学会とは異なり、小規模ながらも熱気にあふれる会場に、アジア地域における心血管領域の画像診断に対する関心の高さを実感することができました。
今回はProspectively ECG-triggered axial scan(SnapShot Pulse)を用いた低被曝線量の冠動脈CTの演題をポスター発表させて頂きました。ポスター会場は企業ブースの部屋の一角と、エスカレーターホールの一角に分離されており、閲覧スペースがやや手狭であったことと、ディスカッションタイムが無かった点が残念でしたが、セッションの合間の休み時間などにはポスター展示も多くの参加者でにぎわっていました。
メイン会場はセッションによっては立ち見が出るほどの大盛況で、東芝の320列CTやシーメンスのDual Source CTに関する演題の他、冠動脈、心機能の評価における至適な造影法や前投与薬使用の是非、撮像法、さらに撮像後の解析に至るまで、多数の演題が組まれていました。唯一、前日に行われていた教育講演に参加できなかったのが心残りではありましたが、日本で開催される次回以降も積極的に参加させて頂きたいと思います。
最後に、ASCI参加にご援助頂きました心臓血管放射線研究会にお礼申し上げます。
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報告記 04
町田 治彦  東京女子医科大学東医療センター・放射線科
今回、心臓血管放射線研究会の助成を受け、4月19〜20日にシンガポールで開催されたASCI 2008に参加させて頂きましたので、拙筆ですが報告させて頂きます。
非常に印象深かった本学会はタイの大学病院所属の先生との出会いから始まりました。彼は医学生教育に熱心なgeneral radiologistであり、最近心臓CTに興味を持ち参加したそうです。ポスター貼付の際に手伝ってくれたのがきっかけで、お互いに独りで参加していたので、学会中は主に2人で行動しました。
ホテルのワンフロアで8〜16時は教育的内容に富む招待講演が行われました。3部屋がひと続きにされましたが、満員でした。日本同様、冠動脈CTに対する関心が非常に高い反面、心臓MRIは日本ほど浸透していないためか、CTの講演は最新情報も盛り込まれていましたが、MRIの講演は基本的な内容が多い印象でした。
核医学やクイズ形式の症例検討のセッションもありました。後者はマニアックでなく、印象的かつ教育的で臨床に役立つ内容であったと思います。全体としてアジアの心血管画像診断の底上げをしたいというポリシーが感じられ、比較的幅広く、教育的な内容でした。
ポスターは随時、各自で閲覧する形式で、症例報告も含まれていました。16〜17時には3部屋に隔てられ、同時並行で一般口演が行われましたが、演題数および聴衆があまり多くなく、やや閑散としていました。これら一般演題は韓国をはじめ、台湾、香港、日本などからのCTに関する発表が多かったです。
学会終了後はタイの先生に観光案内して頂き、国内の医療事情などの話を肴に楽しいお酒を飲みました。タイでも医療訴訟が増えてきている、64列CTによる心臓CTが一般化してきているなど、日本との共通点に驚かされました。来年は東京でASCIが開催される予定であり、再会を楽しみにまた出席したいと考えています。



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